突然の超話題作「うちの子けだまだま」カプセルトイが大ブームになっている。
カプセルトイ専門ニュースサイト「ガチャパラ」では、カプセルトイショップに勤める店員さんを取材した。

(画像はイメージ)
「まさか、平日の朝に行列ができるなんて…」
カプセルトイ化されて販売された「うちの子けだまだま」。

「まさか、平日の朝に行列ができるなんて…」
そう語るのは、カプセルトイショップで働く店員Aさん。
5月某日、平日の朝にもかかわらず、店舗の前にはズラリと人の列が。開店準備を終え、いつものように店頭を確認した瞬間の光景に思わず驚いたという。
「普段の平日は開店前に人が並ぶことなんて、ほとんどありません。それがこの日は、開店準備をしていたところ、ふと店舗の外を見て驚きました。なんと、ドアの前にはずらりと人の列ができていたのです。」
何十人ものお客様が…。何事かと思ってお客様たちの会話に耳をかけてみたところ、皆さんのお目当ては『うちの子けだまだま』でした」
SNSでも静かに話題を集めていた『うちの子けだまだま』
「うちの子けだまだま」は、小さく透明な猫型の入れ物に、自分のペットの毛(または付属のわた)を詰めてチャームにできるというもの。元々はハンドメイド作家さんによって販売されていた商品が、今回カプセルトイとして全国展開されたようです。
Aさんはこう振り返る。
「事前に入荷情報は聞いており、数人からは『楽しみにしている』という声も聞いていましたが、まさか平日に大行列ができるほどの人気とは思ってもいませんでした。」
カプセルトイの世界では、最近だと「アイカツ!」や「ピクミン」が話題になり、行列を作っているのは、大抵人気キャラクターものの商品だったという。
「キャラクター人気に頼らず、ここまでの熱狂が生まれるのは、かなり珍しいケースです」
なぜここまでの熱狂が? 店員が語る3つの理由
- 「推し活」との親和性
- 高価なものを手軽に
- 希少性と個性
「カプセルトイは“推しグッズ”の延長線上にあると感じています。その中で“ペット”は究極の推し。“うちの子の毛”を使ってチャームを作るという体験は、愛情を形にする究極の推し活なのかもしれません」
一つとして同じものがないペットの毛という素材に、自作の余白が残されたこの商品は、多くの飼い主の心を掴んだのではないかという。
「カプセルトイは、手軽に入手でき、身に着けたりSNSでシェアしたりすることで、自分の“推し”を表現できるグッズとして定着しています。これまでにもペット関連のガチャは存在しましたが、一つとして同じものはない毛という素材に着目し、そこに自作の余地を与えたこの商品がカプセルトイ化したことは、大きなブレイクスルーだったのではないでしょうか」
元々のハンドメイド作品は3,000〜4,000円ほど。
一方で今回のカプセルトイは1回400円という価格帯。
「元となったハンドメイド作品は、3,000〜4,000円程度で販売されているようです。しかしカプセルトイなら、わずか400円。体験としては同じことが安価で得られることも魅力なのではないでしょうか」
およそ90%オフの価格帯で手に入るという点は、多くの人が並んででも手に入れたくなる魅力の一つとなっている。
「そして何よりも、ハンドメイド作品のため販売数が非常に少ないものが、カプセルトイになったことで手に入れられるようになったというのも最大の魅力だと考えます。
同様の現象としては、過去に“高級車のキー”を模したカプセルトイが流行したこともあります。高級車のオーナー気分をお手軽に味わえてしまうということで、こちらの商品も多くの人に求められていました。」
「特別な体験を安価で」が、爆発的人気の要因となるケースが多いのだとか。
「自分のペットの毛を使ってオリジナルチャームを作るという唯一無二の体験が「他にない」という希少性を生みだしているのは、カプセルトイの中では珍しいケースです。
「自分だけのものになる」という個性を作り出しやすい点も爆発的人気を後押ししているようだ。
熱はまだまだ続く
現在も、「再入荷はいつですか?」「どこかに残ってませんか?」という問い合わせが絶えないという。
「うちの子けだまだま」がこれほどまでに求められているという事実に、店員として驚きつつも納得しているという。
Aさんは最後に、こんな想いを語ってくれた。
「この商品は、作家さんの図りきれない深い想いが込められたものであることに気がつきました。。ひとりでも多くの“うちの子を愛する人”の手に届いてほしいと心から願っています。これからも、このような心に残る素敵なカプセルトイがたくさん生まれてくることを楽しみにしています」
ペットの毛の入れ物「うちの子のけだまだま」アーティストによるポスト
※情報は掲載時点のものです
<調査・文・編集:ガチャパラ編集部>